世界的に有名な運送会社DHLに提案された、ライバル他社を利用してそのまま自社を宣伝する方法という見事な広告をご紹介しておきます。
「DHL IS FASTER.」 (DHLのほうが速い)このメッセージが書かれたダンボールを他社の配達員に運ばせてそのままDHLを宣伝してしまおうというブラックユーモア的な作戦。
ただ、ライバル会社がこんなメッセージがデカデカと書いてある荷物を「はい、お受けします」なんてやるわけがありません。
そこで突破すべきハードルは
「荷物の集荷」で無事、荷物を受け取ってもらうこと。そして、
「配達時の配達員の目」この2つを突破することです。
そこでダンボールに細工をします。
-4℃まで冷やすと真っ黒に色が変わる特殊なフィルムをダンボールに貼り、メッセージが見えないようにします。
これで荷物の集荷の段階でバレないように突破します。
荷物が運ばれている間に常温にもどるのでフィルムの色は透明になり、「DHL IS FASTER.」というメッセージが出てきます。
次に「配達員の目」です。
これは広告として考える時に重要な要素として、文字(メッセージ)は
大きく周りの人に見えやすいようにしなければなりませんが、これがそのまま逆手に使えます。
荷物が大きくて文字も大きい。つまり配達員は荷物を運ぶ時にかなり荷物に近づかなければなりません。
近づきすぎると文字が大きいので配達員は文字が読めず気づきにくいということです。
気づいても荷物の集荷の時点で「OK」したなら配達員もこれは運んで「OK」なんだろうということで運んでくれるだろうという算段。
ただし、さすがに配達員の誰かは気づいて会社に報告がいくと思います。
なので、やるなら1日限定で一気にやる必要があるでしょう。
あとは、
「人通りが多くて配達車両が入れない道、人力で運ぶ距離が長い住所」を配達先として指定すれば多くの人がこのメッセージを目にします。
まさに見事としかいいようのない広告。
しかし、これは実際には実行されていない架空の広告です。
これはドイツの広告会社
Jung von Mattが提案した広告手法。DHLは実際にはやっていません。
さすがに反感を買いすぎる恐れがあるからやらないでしょうね。
しかし、ライバル他社を利用して自社を宣伝するという巧妙なアイデア。
突破すべき課題を明確にして突破案を考えたといった点ではお見事としか言いようがない広告。
ちなみにJung von Mattが最近たずわった広告
https://youtu.be/qqxZs_sCnoI ボーダフォンのCM。ボーダフォンのSIMはどんどん速くなっているということの表現でしょうか?なかなか面白いですね。